日本の戸建住宅はほとんどが木造です。建築コストが安いだけでなく木の持つ風合いと温かみがあり、今も昔も木造住宅はとても人気ですよね。そんな木造住宅ですが、実は工法がいくつかあります。ここでは主流となっている「軸組工法」と「2×4工法」、2つの工法について特徴と違いを紹介したいと思います。
軸組工法の特徴

軸組工法は在来工法とも呼ばれ、木造住宅の工法として最もポピュラーな工法と言えます。コストパフォーマンスも高く、大がかりなリフォームも比較的容易です。
軸組工法には耐震性があまり無いイメージがありましたが、2000年の法改正によって耐震性アップのための部材や部品の規準が定められました。そのため、今の住宅は耐震性においても心配は要りません。
また、今の軸組工法の部材は天然木そのままで使う例は意外と少なく、多くの場合が集成材を使っています。集成材と言うと天然木に劣るイメージがもしかしたらあるかも知れませんが、実は強度が高く、寸法安定性が高いメリットがあります。また、耐用年数も50~70年以上と、非常に長く使えます。
2×4工法の特徴

2×4工法は小口が2インチx4インチの規格材を使用することが名前の由来です。この規格材と面材を組み合わせて枠組みした面を作り、壁や天井などの面全体で構造を支持します。
ここから「枠組壁工法」とも呼ばれます。また、材料の規格が統一されているために品質が安定しやすい特徴があります。2×4材と合板から構成されたパネル、この組み合わせが強度のポイントになります。
2×4は確かに素晴らしい強度特性はあるのですが、面で構造を構成していることによるデメリットもあります。軸組工法との比較して違いを見ていきましょう。
軸組工法と2×4工法の違いは?

軸組工法と2×4工法の違いの大きく違う点は「部材の構成」が違う点と言えます。
まず、軸組工法は「柱」や「梁」、そして「筋交い」を組み合わせた『線』構造となります。先述のおさらいになりますが、2×4は合板ベースの「パネル」を組み合わせて床や壁を作る『面』構造となります。
そのため、地震や台風などの外力に対して、『線』で受ける軸組工法より『面』で受ける2×4工法が強いと言えます。一方で、2×4工法の場合は開口部を大きく取れない、建てた後の間取り変更が難しいといった懸念があります。
例えば、増築について軸組工法は自由度がありますが、2×4工法の場合は面で構成している都合上、構造の形を変えることが難しくなります。
そのため、リノベーションなどにも制限が発生するケースもあるので、中古住宅を改装して生活するといった考えで購入する人は、注意すべきと言えるでしょう。
終わりに
木造軸組工法、2×4工法、それぞれにメリットとデメリットがあります。自分の好みと将来のリノベーションなども考えた上で、家選びを検討すると良いでしょう。