『光触媒』ってなに?コロナに対する抗ウイルス効果も期待、そんな光触媒を紹介します

新型コロナウイルス感染を防ぐために家に帰れば手洗いうがいが習慣づいてきた人も多いかと思います。それでも家族の誰かが感染して無症状のまま気づかないうちに家庭内に感染を広げてしまったというケースもあります。

そんな家庭での感染リスクを低減させる方法としていま注目されているものが、「光触媒」です。光触媒はウイルスを不活化(感染性を失わせる)させる効果がある物質で、無色透明のため室内の壁や天井にコーティングすることができます。

今回はそんな光触媒のメリットや期待される抗ウイルス効果について紹介します。

光触媒とは

光触媒の材料

「光触媒」とは、光を照射することにより触媒作用を示す物質のことで酸化チタン(TiO2)がその代表的な材料です。
酸化チタンが吸収する光の波長のピークは380nm以下の紫外領域のため、通常の蛍光灯やLED照明の下では光触媒反応の効果があまり大きくありません。
それを改善するため、少量の不純物を加えて可視光(蛍光灯やLED照明)下で光触媒反応を活性させたものを用いて、住宅の内装コーティング材料として実用化されています。

光触媒のメリット

光触媒は、その強い酸化還元作用と超親水作用によって次の効果が認められています。

  • 自浄効果(セルフクリーニング)
  • 消臭効果
  • 防カビ効果
  • 抗菌効果
  • 抗ウイルス効果

他にも、室内コーティングに適した良い点がいくつかあります。

  • 人やペットに無害で安全
    酸化チタンは医薬品や食品の添加物などの成分としても使用される物質です。
  • 半永久的に効果持続
    光触媒は光を利用してその性能を発揮し続けます。
    室内では光触媒塗膜が剥がされる要因がほとんどないため、半永久的に効果が期待されます。
  • ランニングコストゼロ
    電力消費も故障を伴う機器の使用も無いため、いちど施工してしまえば追加の費用はかかりません。
    特別なメンテナンスも不要です。

光触媒の抗ウイルス効果

出典:NEDO 室内でも使える可視光応答型光触媒を開発

光触媒には多くの効果がありますが、やはり一番興味があるのは「抗ウイルス効果」ではないでしょうか。

光触媒工業会は2020年4月24日のニュースリリースの中で”特定のウイルスに対する効果を保証するものではありません。”としながらも「光触媒を利用した抗ウイルス効果の紹介(pdf)」で以下の様に紹介しています。


■光触媒による抗ウイルスメカニズムの特徴

・光触媒による酸化分解には、分解対象の選択性がないため、ウイルスの種類にかかわらず効果を発揮することが期待できる。ウイルスの突然変異の影響も、ほとんど受けないと考えられる。

・エンベロープを持たないウイルスは、一般的に消毒薬等に対する耐性が高いとされているが、光触媒はエンベロープの有無に関わらず抗ウイルス効果を発現することが確認されている。

・光触媒による抗ウイルス作用は、光触媒の表面のみで起こる。気中のウイルスへの効果は、気中から光触媒表面に接触したウイルスについては不活化作用を期待できる

— 光触媒工業会

新型コロナウイルスに対する効果を検証していないために明言を避けていますが、ウイルスの種類や変異に関係なく、メカニズム上は効果を発揮するものと考えられます。


終わりに

建築基準法の採光に関するルールを読んで気付いた方もいるかもしれませんが、窓が南向きでも北向きでも同じ基準で有効採光面今回は、住宅のウイルス対策として注目されている光触媒ついて解説しました。

ウイルスに敏感に反応する社会はこれから先も続いていくでしょう。
今までと変わりなく家族が安心して暮らす住宅のために光触媒を導入してみるのはいかがでしょうか。