『修繕積立金』ってなに?長く安心して住むために大切なお金とその使い道

マンションを購入すると毎月支払うことになるお金には管理費と修繕積立金があります。
所有者になると毎月負担するコストになりますし、マンションによって金額が違うので曖昧なまま購入を決めてしまうのは不安ですよね。

今回は修繕積立金とはなにか、費用や注意するポイントはどこか説明していきます。

修繕積立金とは

出典:国土交通省 平成30年度マンション総合調査結果(とりまとめ)

昭和から平成になりマンション購入者の意識は大きく変わりました。以前は戸建を買うまでの一時的なものとしてマンションは購入されていました。今ではマンションは永住するために購入するのが当たり前になっています。
新築でも中古でも永住するためにはきちんと長持ちするように計画的に修繕工事を行うことが必要で、修繕工事は12年、15年、30年といった長い周期で実施されるものが多いです。

この修繕工事には高い費用がかかるため一括で徴収することは難しく、毎月徴収して積み立てておく必要があります。
このお金のことを修繕積立金といいます。

具体的には何に使うの?

具体的には修繕積立金は以下のような用途に使われています。

  • 外壁の塗装
  • 下地補修
  • エレベーターの補修や取り換え
  • 屋根や屋上の防水工事
  • 共用廊下の手すりなどのペンキ塗り替え
  • エントランスホールの改装
  • 給排水管や受水槽の取り替え
  • 駐車場や駐輪場の床の補修
  • 地震や台風などの被害を受けた時の修繕費

大体の費用は?

修繕積立金は200円/㎡程度が必要といわれています。
50㎡のマンションで1万円程度ということですね。

大規模なタワーマンションの場合は修繕積立金が高めに設定され、300円/㎡程度はあるのが通常です。
背景には、タワーマンションにある特別な設備と高層ならではのメンテンナンス性があります。
特別な設備とは高速タイプのエレベーターとそれを複数台管理するシステムや、非常用発電機などです。
また、超高層のため足場を組んでの点検作業と修繕作業が出来ず、屋上からゴンドラを吊るして行う必要があります。

他にも、修繕積立金の額はマンションごとの様々な要因によって変化します。
海のそばに建っていると塩害を受けて劣化しやすいなど立地によっても修繕工事にかかる費用は変化します。

マンション購入を検討する際はどのような共用施設を備えているかもしっかりと見ておく必要があります。
機械式駐車場、ラウンジやゲストルームやプールがあるマンションは修繕工事費も高くなることが考えられます。

注意するポイント

修繕積立金に関して注意するポイントを見ていきましょう。

まず修繕積立金が平均の相場(200円/㎡)と比較して安すぎたり高すぎたりしないかを確認することが大切です。
あまりにも金額が高いものだと納得できる理由があるのかしっかり調べる必要がありますし、異常に安い場合も将来修繕積立金が足りなくなり値上がりする可能性があります。

修繕積立金の滞納がないかどうかもきちんと確認するようにしましょう。
また、毎月同じ金額を支払う金等積立方式なのか、それとも徐々に値上がりしていく段階増額積立方式であるのかもチェックしておきましょう。

終わりに

毎月支払う費用になる修繕積立金、納得して支払いができるようマンションを購入する前にしっかりと確認するようにしましょう。

マンションを購入した後はあなたもマンション管理組合の一員として維持管理していく立場になります。
長く安心して住むことができるようきちんと修繕計画の見直しと実施をしていってください。