長押(なげし)、一度は見たことがある方が多いと思います。
でもアレ何のためにあるの?何に使えるの?今回はそんな長押について紹介していきます。
長押(なげし)とは
長押とは日本建築において柱と柱を繋ぐ形で水平に取り付けられた化粧材のことです。
元々は柱を固定するための構造材としての役割もありましたが工法の変化や発展によりその役割はなくなり、装飾的なものとなりました。
長押の種類
壁と床の長押は取り付け位置によって種類が分かれおり、下から順に次のようになります。
- 柱の最下部を繋ぐ地長押
- 縁側に面して設けた縁長押
- 壁の中ほどや窓の下などの建物の腰の部分にある腰長押
- 開口部のすぐ上にある内法長押
- 天井のすぐ下にある蟻壁の下に設けられる蟻壁長押
- 天井の回り縁のすぐ下に取り付けた天井長押
一般的に長押と聞いてイメージするのは内法長押です。
また長押の断面は下が厚く上が薄い台形の形をしており、柱の幅を基準として8〜9割の幅のものを本長押、6〜7割のものを半長押と言います。
長押の歴史
今の和室には長押が当たり前のように見られますが、歴史を遡ると江戸時代には特別で格式の高いものでした。
明治ごろになると庶民は封建社会から解放され長押がつけられるようになったそうです。
現在では長押が格式高いものだという意識は薄れています。
長押の活用
奥行きがある長押は何かを吊り下げたり飾ったりと様々な形で使われてきました。
また和室に見られる長押ですが、長押をモチーフとし現代風にアレンジしたものが洋室に取り入れられることも増えてきました。
ここからは長押の活用法の一部を紹介します。
定番の「長押フック」
長押フックとはその名の通り長押に引っ掛けて使うフックのことです。
様々なデザインのものが売られており、自分好みのものを選ぶことができます。また100円ショップなどでも手に入れられるなど手軽に取り入れられるのも嬉しいポイントです。
収納が少なくて困っている方も長押フックを使って見せる収納に挑戦してみてはいかがでしょうか。
棚のように使う
長押をディスプレイ棚のように使うこともできます。
写真や額縁を飾ることはもちろん、吊り下げ棚などのアイテムを使うことで活用の仕方は広がります。ちょっとした小物を置く場所が欲しい、という時にも長押が役に立つかもしれません。
終わりに
今回は長押について紹介しました。
長押と聞くと和室のイメージが強い方も多いと思いますが、今は長押をモチーフとしたアイテムが洋室にも取り入れるなど形を変えながら親しまれています。
家を建てる時や部屋を選ぶ時には長押にも注目してみてください。